クリニック開業の失敗②従業員の雇用

クリニック開業の失敗②従業員の雇用

クリニック開業の失敗で原因として挙げられるのは、立地・場所選びのほかにも、「従業員の雇用」、特に看護師の雇用があります。
一緒に働くパートナである看護師として「どんな人を雇用するか?」はクリニックの雰囲気を決定付けるだけに、非常に重要なポイントです。開業前の人材募集にはハローワークは使えないので、基本的にはウェブの人材募集サイトや新聞の折り込み広告、求人誌ガイドなどに募集広告を打って、必要な人材を募集することになります。

現在の動向としては、看護師はどの医療機関でも慢性的に不足状態が続いています。元の勤め先から、ベテランの看護師さんが一緒に来てくれるなどがあれば心強いですが、そうでない場合でも、1人は経験豊富な看護師さんがほしいところです。

先生の持てる力を診療面で最大に発揮するためには、看護師を活用することも重要な戦略です。 そのためにも、診療に集中できる環境を作るうえで、あらかじめ看護師に任せる範囲を決めることは必要です。

失敗しない看護師雇用のコツ

「看護師」には、「正看護師」と「准看護師」がいますが、その違いは、勤務医時代にはあまり気にしなかったかもしれません。国家資格である看護師であれば、医師が一つ一つ指示を出さなくても、カルテを見て看護行為をしてくれます。一方、都道府県知事の試験に合格すればいい准看護師は、医師か看護師の指示のもと、看護行為を行わなければなりません。

正直、クリニックでは、給料が高い正看護師を雇う必要はありません。しかし今後、クリニックとして訪問看護や終末期医療、糖尿病などの特定分野に特化した医療行為をするのならば、初めから正看護師を雇用し、クリニックの運営にも積極的に参加してもらうという方法もあり得るでしょう。 開業医は経営者でもあるわけですから、開業時のリスクを考えれば准看護師で十分と思われるかもしれません。

しかし経営が軌道に乗り、3年後、5年後を視野に入れた経営計画を立てたときには、正看護師を雇用することも考えてみてもいいのではないでしょうか。